ゼボットとエリーの切ない物語【ドラクエ7リイマジンド】
ゼボットとエリーの切ない物語【ドラクエ7リイマジンド】
ドラクエ7のリメイク版『ドラゴンクエストVII リイマジンド』で、ストーリーの途中に出会うゼボットという機械技師の話が、とても切ないものでした。
物語の舞台は、カラクリ兵という機械の魔物が跋扈し、侵略を受けていたフォロッド国。そのなかで、兵士長のトラッドという兵士に、勇者たちは腕を見込まれ、フォロッド国の傭兵になってほしいと頼まれます。
そのトラッドの弟が、技術者のゼボットです。トラッドの弟とは思えないような年配の雰囲気で、偏屈な頑固者。町から少し離れた場所に一人で住んでいて、協力してほしいと言ってもなかなか応じてくれません。
なぜ、ゼボットはそこまで心を閉ざしてしまったのか。それは、婚約者だった最愛の人でありフォロッド国の王女でもあったエリーの事故死が理由でした。
ゼボットはエリーの死から立ち直ることができず、半ば引きこもるように発明に没頭します。
人間の命はあまりにも儚く、簡単に失われてしまう。その現実に耐えられなかったのでしょう。だからこそゼボットは、失われない存在を求めた。
二度とエリーを死なせないために、機械の身体を持った存在として、ある意味では幻想のなかで復活させようとしたのではないでしょうか。
ゼボットは、壊れたからくり兵を修理し、戦力として魔物のからくり兵たちの討伐に協力したあと、エリーと名付けたこのからくり兵と一緒に暮らします。
諸行無常のこの世界でずっと変わらないものがあればいいのに、と願ってしまう気持ち。機械化を追い求めてしまう姿は、人間の悲しい性のようにも感じられます。
そして、ほんとうに泣けるのは、その後です。
このゼボットたちの世界は、勇者たちにとっては過去の世界です。過去の世界の問題を解決し、彼らにとっての遠い未来、すなわち現代に戻ると、もともとゼボットたちが暮らしていた小屋では、エリーと名付けられたからくり兵が、ゼボットの死後も彼のことを思いながらスープを作り続けています。
骨になり、もう戻らないゼボットのために、ずっと看病をし続けていたのだろうロボットのエリー。
生命にとって、命は限りあるもの。でも、ロボットにとっては故障や機械の寿命はあっても、生命の死とはどうしても差が出てくる。人間とロボットは一緒に生き続けることはできない。そのロボットが人の心を持ってしまうことは、双方にとって幸せなのか、ということを考えさせられる切ない物語です。
