ぺぺとリンダのその後と、四角関係の結末【ドラクエ7リイマジンド】

重くて悲しい話の多いドラクエ7(それがまた味でもあるのですが)、なかでも「こんな話まであるのか」と思わされたのが、グリンフレーク編です。

ぺぺ・リンダ・イワン・カヤによる四角関係の恋愛劇が、このエピソードの中心になっています。

なかなかドロドロした展開で、誰が悪い、もっとこうしていれば、と議論も発展しそうなほど、一人一人のキャラクターや選択に人間味があるのですが、個人的には物語性が強くていいなと思います。

登場人物と関係性

まず、四人の関係を整理しておきます。

リンダ:道具屋の娘。借金のためにイワンと結婚せざるを得ない境遇だが、実はぺぺと両思い。

イワン:ハーブ園の坊ちゃん。リンダと婚約し、のちに結婚する。

ぺぺ:ハーブ園の使用人。リンダへの想いがありながらも、イワンの父親への義理や同じくハーブ園で雇われている家族のことを考え、気持ちを押し殺し、一人村を出る。

カヤ:屋敷のメイド。ずっとイワンに好意を寄せている。裏工作をするなど、不気味さがある。

四人の想いはそれぞれに交錯し、誰もが「好きな人と結ばれない」という状況に置かれている、四角関係にあります。

リンダは、ぺぺに「一緒に村を出よう」と駆け落ちを提案しますが、真面目なぺぺは踏み切れません。リンダに意気地なしと責められ、ぺぺは一人で村を出ていきます。

カヤは、イワンへの想いから、ぺぺに対し、「リンダと二人で出ていけばいい」とけしかけるなど、裏工作を働かせる不気味さを備えています。その後の「過去より少し未来の世界」では、富豪の男と結婚しながらイワンの酒代のツケを肩代わりし、さらには、その夫を毒殺しようとさえ試みます。

一方、村に残ったリンダは、そのままイワンと結婚。しかし、イワンはハーブ園を継いだのち事業に失敗し、酒浸りの生活へと転落。リンダはついに家族を残して去っていきます。

ぺぺとリンダの「その後」が切ない

この物語でもっとも胸に刺さるのが、ぺぺとリンダの「その後」です。

村を出たぺぺは、離れた地でひっそりとハーブ園を始め、事業に成功します。

ある日、親を亡くした女の子を引き取ることになるのですが、最初は修道院に預けるつもりでいたものの、その子の名前が「リンダ」だったことから、自ら親代わりになることを決めます。

この選択は、ちょっと気持ち悪いという捉え方もできますが、逆にリアリティがあるような気もします。

そのぺぺのいる村の、少し離れた修道院では、別名を名乗ったリンダがひっそりと暮らしていました。ぺぺのことを遠くから見守りながら、姿を隠すように生きていたようです。

リンダはぺぺの存在に気づいていたようですが、ぺぺは知らないまま。もともと病弱だったリンダは、会わないまま息を引き取り、半年後、主人公の働きによってはじめてぺぺはそこにリンダの墓があることを知ります。

そのお墓には、リンダの言葉が刻まれています──。

ここが個人的にいちばん泣ける場面で、その前に「現代」に戻ったとき、ぺぺとリンダの墓がそっと並んでいるという伏線も、静かに効いています。

ちなみに、カヤの富豪毒殺計画は未遂に終わり、カヤはイワンとともに二人で村を出ていきます。

悲しみもありながら、ささやかな未来もかすかに残る。重たいながらも、このグリンフレーク編の結末は結構好きです。

四角関係という複雑な人間関係に加え、「過去」「過去より少し未来」「現代」という三つの時間軸が存在するため、整理するだけでも難しいエピソード。

それでも、各キャラクターが、ゲームのためにご都合主義的に動くのではなく、それぞれの状況のなかで自分なりの選択をしている──そういった人間模様がちゃんと描かれている感じがよかったです。

ドラクエ7は、ほんとに骨太のストーリーが多いなと思います。​​​​​​​​​​​​

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